2021年05月20日

【スタッフ追加募集】2021ウィークデー・キャンパスツアー

 横浜市立大学の学生さん向けに YCUポータルの公開お知らせ に掲載しているツアーガイド募集の受付状況です。

5/20(木)18:30現在、残り3名程度です。

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2021年03月19日

「高大接続 ただよう★もやもや★は なぜ生まれるのだろう?」 への問題提起

 3月19日(火)に標記のテーマでZoom開催されたFMICS 月例会(第736回例会)にて私がお話しした問題提起の内容です。

 この私の報告を含む、全ての問題提起(パネリスト)やコメンテーターの報告内容、ブレイクアウトセッションの記録、参加者の感想などについては、毎月会員宛に発送されている会報『BIG EGG』(2021年4月号)に収録されています。



 高等学校から大学への進学。それは大きな変化であり、その選択や選考のプロセスには試行錯誤が伴い時間をかけて当然のものです。幅広い教科科目の基礎的な学力の把握、記述式試験による思考力の評価や調査書を活用した主体性の評価など、その選抜方法の在り方についての議論は尽きません。一方で、こうした選抜を行っていく日程についてはどうでしょう。

 学校推薦型選抜や総合型選抜の多くは年内に進学先が決定しますが、標準とされる一般選抜では、1月の中旬の真冬の時期、日本海側では大雪になる事も多い環境で、たった土日の2日間で多岐にわたる教科科目の試験を実施する「大学入学共通テスト」があり、2月に入ってから私立大学の一般入試が本格化します。国公立大学では2次試験の前期日程が2月25日から実施され3月10日までに合格発表、後期日程は3月12日から実施され3月20日までに合格発表となります。

 一般的にはなんら疑問視されていないスケジュールですが、高校生が落ち着いて挑戦や試行錯誤ができる日程と言えるのでしょうか? 3月に入ると直ぐに、多くの高校では卒業式が行われてしまします。もちろん高校の先生たちは卒業式後も受験生のサポートをしてくれるでしょうが、学年の集団は実質的に解散してしまいます。

 受験生の様子を見てみると、国公立大学への進学者が多い高校の生徒たちは、比較的抵抗感はなく国公立大学に挑戦していきます。しかしそうでない高校の生徒たちには、試験の難易度と併せて、ある種のバリアとして作用しているように見えます。また進学校の生徒でも、出来れば早く進路を決めたくて推薦や総合型選抜への志向が強まっている事は感じられ、高校卒業後まで進路先が決まらない“不自然さ”を鑑みれば当然の事と思います。

 第1次試験としての共通テストが1月に行われ、その自己採点結果を踏まえて出願し第2次試験に進むとなると、3月後半までかかるスケジュールとならざるを得ません。ちなみに第2次試験については記述式で出題する事がほとんどですが、採点から合格発表までのスケジュールは決して余裕があるものではないのです。

 例会では具体的な2つの提言を述べましたが、その1つは「大学入学共通テスト」を12月に繰り上げて実施すべきというものです。もともと、「共通一次試験」が導入される際にも、当初大学側としては気候の比較的安定している12月の実施で検討したいたのですが、高等学校側の反対で1月になったという経緯があります。記述式の導入の検討時にも、採点に時間のかかる記述式問題は12月に実施する案が出ましたが、やはり高校側(本当に高校の総意かどうかは疑問ですが)の反対で却下されています。高校側としては受験の前倒しする事への抵抗感からの反対のようですが、共通一次試験が導入された頃と違い、今では12月以前にも多くの国公立大学で総合型選抜や推薦型選抜が実施されている訳であり、状況の変化に即していない反対論と思います。

 2つ目の提言は、「総合型選抜」での専願制を禁止するという事です。現在多くの大学では、「総合型選抜」については“合格した場合は必ず入学”という縛りをかけています。かく言う私の横浜市立大学もそうです。その理由としては、“当該大学を第1志望とする志願者を丁寧に選抜する趣旨から合格者が入学するのは当然”とされているからです。しかし、様々な大学に挑戦したい受験生の立場から見れば、それは早くに確実な入学者を確保したい大学側のエゴに他なりません。精魂込めて練り上げ準備してきた取り組みや大志望理由を、わずか1つかそこいらの大学にしか評価されないというのは、受験生に不利なルール設定です。ある大学を想定した出願内容(志望理由etc)がその大学ではあまり評価されず、別の大学では大いに評価さるという事はかなりの確率であるでしょう。手塩に掛けて育てた生徒が、1つの大学にしか“総合的に”評価されないというのは理不尽であると、高校の先生方も思うべきなのです。

 1つ目の大学入学共通テストの日程変更に比べれば、文部科学省の通知(大学入学者選抜実施要項)の改正一つで可能な施策です。手間をかけた選抜をする大学側には負担が増える事にはなりますが、総合型選抜においても受験生の試行錯誤や挑戦の機会を保障するという観点からは、せめて総合型選抜の募集人員の一定程度についてはルール化されるべき事と思います。

 高大接続の問題は、入試が全てではありませんし、安易に入試改革にのみ頼って課題を解決しようとする事は、ここ数年の混乱を見ても逆に問題を悪化させることは言うまでもありません。とは言え、入試も高大接続の重要なプロセスの一つであり、過程(プロセス)という視点で見た時に、受験生への不当な制約が隠れていることを、我々は認識すべきと思います。

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posted by N.IDEMITSU at 23:59| 高等教育論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする