放送大学のススメ<前編>
放送大学(公式サイト)は、テレビまたはラジオによる放送授業を主たる教育手段とする正規の大学です。放送大学が設置している教養学部と大学院文化科学研究科では、人文・社会・自然科学にまたがる幅広い領域で、約370もの放送授業科目が開講されている他、全国各地の学習センターを拠点に、年間3,000クラス以上の面接授業も行われています。
放送授業科目は、基本的にテレビまたはラジオによる45分×15回の放送授業で構成される他に、15回分の内容を編纂したテキスト(印刷教材)が用意されます。放送授業は、地上波や衛星放送で無料放送されて誰でも視聴出来るほか、テキストは一般書籍として2〜3千円程度で市販もされており、特に学生として登録しなくても、関心を持った科目について放送授業を視聴したり、テキストを入手して学習することが可能です。
各授業科目は原則として4年毎に改訂され、各分野において網羅的でかつ最新のトピックスを盛り込んで構成されており、数多くの興味深い科目が提供されています。大学・高等教育に関する科目も、学部と大学院でそれぞれ1科目ずつ開講されています。
学部科目の『大学と社会('08)』(科目概要)は、「大学の誕生と発展」「戦後日本社会と大学改革」「大学の組織と運営」「変貌する大学教師」「多様化する学生」といったテーマが、総勢8名の講師陣によって取り上げられ、中世ヨーロッパから現代日本に至る大学の歴史や現代的な諸問題をカバーし、大学人にとってのベーシックスとも言える内容です。
大学院科目の『大学のマネージメント('08)』(科目概要)は、「大学事務職員の現状と能力開発の必要性」「大学広報・学生募集戦略」「大学の人事・労務・財務」「大学の教務・学生サービス」「大学改革の実際」といったテーマが、4名の講師陣(山本眞一、田中義郎、工藤敏夫、井原徹の各氏)によって取り上げられ、より現職の大学職員あるいは管理職にある教員を意識した内容になっています。
『大学と社会('08)』はテレビ科目、『大学のマネージメント('08)』はラジオ科目であり、4月〜7月および10月〜1月の放送授業期間(通常の学期)中は、週に1回のペースで15週にわたって放送されていますが、放送授業の視聴によらなくても、テキストに豊富な内容が盛り込まれていますので、書店や図書館等で入手されてご覧になることをおすすめいたします。
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