2024年03月03日

「大学アドミッション論」復活!

 桜美林大学大学院 大学アドミニストレーション実践研究学位プログラムの『Newsletter 42』(2024.3.1発行)に寄稿したエッセイです。実物は7頁のニュースレターですが、内部向けのものなので私の記事面だけを掲載しています。

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 この4月から開講されることになった「大学アドミッション論」(春学期2単位)を非常勤講師として担当いたします、出光です。桜美林大学には1994年4月に大学院生として入学し“大学アドミニストレーション”の草創期に関わりましたが、その頃の四方山話は2016年3月に発行されたニュースレター26号に執筆しました。その記事は私のブログにも掲載していますので「学びの水先案内人 出光直樹」で検索してみてください。

 現在の本務は横浜市立大学で、2005年9月に桜美林大学から移って以来、アドミッションズセンター(学務・教務部アドミッション課)の専門職として、一貫して入学者選抜・学生募集の実務に従事してきました。2022年4月からは、本学にも漸く設置された高等教育推進センターの業務も兼務し、教育開発、FD・SD、教学IRなどにも手を広げています。私の専門職としての位置づけは、いわゆる第3の職と言われるものに当たりますが、国立大学のアドミッションズセンターや高等教育系のセンターが基本的に教員職としてのスタッフを配置し、実務面(例えば入試の実施事務)は担当課の職員が担っているのに対して、本学のアドミッションズセンターは、学部教員が任命されているアドミッションズセンター長の他は教員組織を持たず、実質的には事務局組織である学務・教務部アドミッション課の10名程の職員(私を含む)が担っています。

 ちなみに私の“学務准教授”という肩書は、学校教育法第92条第1項に定めのある准教授の職位ではなく、あくまでも本学が独自に付与している称号です。この肩書での仕事も18年を超え、それなりの実績は上げたと自負していることから、この称号から“准”の字を取るよう、組織に対して穏やかにかつ決然と交渉していますが、その結果次第では、来年あたりには他の組織に移っているかもしれません!?

 さて今回ご紹介する「大学アドミッション論」は、2014年度から2018年度にかけて開講していた「大学アドミッション」が、5年のブランクを経て復活するものです。当時は通学制課程の開講科目(2014・15年度は四谷キャンパス、2016〜18年度は千駄ヶ谷キャンパス)であり、科目名に“論”の有無の違いがありますが、基本的に同じスタイル・内容での開講を予定しています。

 その特徴の1つは、週末に1回(1日)あたり90分4コマ(現在は100分単位なので3.5コマ)分を集中開講し、春学期(4〜7月)に月1ペースで4回にわたり開講することです。現在の大学アドミニストレーション実践研究学位プログラムは通信制課程のみですが、この科目についてはほぼ以前の対面開講と同じく、全てZoomを用いた同時双方向(リアルタイム)形式で開講します。また履修者の皆さんの希望や都合が合えば、一部の回(日程)については千駄ヶ谷キャンパスで対面実施したいと思います。週末の集中開講であれば、首都圏以外の地域にお住いの方であっても、千駄ヶ谷まで足を運ぶのは可能であり、以前に対面開講していた際にも多くの通信課程の方が履修しており、新幹線利用であれば日帰りで、北海道や沖縄の方は前泊で授業に参加されていました。休憩時間やランチタイムでの雑談も、貴重な学びの機会です。

 また集中開講としたことの目的は、受講者自身の関係する大学の具体的な事例やインタビュー等の報告とディスカッションによる分析や課題発見を中心に、授業を組み立てていることです。

 1回目は総論として、私の方から入学者選抜制度の現状や課題を、国際的な比較を含めてレクチャーする他、私が手掛けてきた横浜市立大学での事例(国際バカロレア・英語資格等の活用、指定校推薦の適切な運用、MMI方式の面接、etc)もいくつか紹介します。その後、2回目と3回目では、各受講者の関係する大学での具体的な入学者選抜制度と入試広報活動について、それぞれ事例を取り上げて報告し特色や課題等を分析・検討します。4回目は、学生(3名程度)に対するインタビュー調査を行い、入学前の大学選びに関する意識や行動、受験のプロセス、大学入学後の適応について報告をし、高大接続の課題についてリアルな視点での検討を行います。ありがたいことに以前の授業アンケートでは、事例の報告とディスカッションを中心とした内容が好評をいただいたようで、それが今回の復活開講に繋がったようですが、特に学生へのインタビューは、多くの方に印象深い経験として受け止められたようです。

 休憩をはさみながらとはいえ、1日6時間ほどのZoom授業は集中力が続くものかと若干の心配はありますが、以前の授業でも事例報告とディスカッションには様々な気づきと発見があり、時間があっという間に過ぎる感覚でしたので大丈夫でしょう。2024年度の春学期は5/5・6/2・6/30・7/21(いずれも日曜日)に開講しますので、多くの方の履修をお待ちしています。

出光 直樹
(横浜市立大学 専門職・学務准教授)

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posted by N.IDEMITSU at 18:31 | TrackBack(0) | 大学院 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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