2024年05月05日

2024年度「大学アドミッション論」シラバス@桜美林大学大学院

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桜美林大学大学院 大学アドミニストレーション実践研究学位プログラムにて、2024年度に6年ぶりに復活することになった授業科目「大学アドミッション論」に関するお知らせです。

◆2024年の授業日は、5月5日(日)、6月2日(日)、6月30日(日)、7月21日(日)の4回集中型(毎回9:40〜16:40・1hの昼休み含む)です。

◆今年度からは、Zoomを用いてのオンライン開講となりますが、受講者の方の都合がそろえば、一部の日程については千駄ヶ谷キャンパスの教室対面実施も。

★授業内容に関するご質問などはご遠慮なく naoki(アット)idemitsu.info にお寄せください。

以下はシラバスになります。

【科目】 大学アドミッション論
 (授業コード314215・単位数2)

【担当教員】 出光 直樹
(非常勤講師 / 横浜市立大学 アドミッション課 専門職・学務准教授)

【授業概要】
 高等教育ユニバーサル化の時代を迎え、入試広報を担当するスタッフは、単に入学試験とそれに付帯する広報活動を事務的に処理するだけでなく、アドミッションズ・オフィサーとして、各大学のミッションと学生の実態を理解し、適切な入学者選抜・学生募集の仕組みをデザインし、実行していく役割が求められています。
 この科目は、我が国の入学者選抜と高大接続をめぐる課題を国際的な視点も踏まえて概観した上で、(1)入試制度、(2)広報活動、(3)学生の視点から見る高大接続、についての課題報告とディスカッションを中心とする授業展開を行い、各受講者の固有の文脈における課題の発見と具体的な解決の道筋を探ります。
 1回3.5コマ分×4日間(日曜日)の集中講義にて、Zoomを用いてオンライン開講します。ただし受講者の都合が合えば、一部の日程を千駄ヶ谷キャンパスの教室で対面実施する場合もあります。

【到達目標】
●我が国の入学者選抜制度の現状と課題を、国際的な比較も含めて理解する。
●入学者選抜や高大接続の多様な現状と課題を理解する。
●ケーススタディー、インタビュー等の具体的な事例分析と、それに基づく課題発見、企画立案が出来るようになる。
●アドミッションに関わるスタッフの専門性と課題を自覚する。 

【実務経験のある教員による授業科目】
事務系の専門職員として大学の入試広報実務に従事している教員が、現場の視線や課題を意識した講義や、受講者の課題報告のファシリテーションを行う。

【キーワード】
入学者選抜 入試広報 学生募集 高大接続 専門職

【授業計画】
第1回 入学者選抜と高大接続をめぐる課題 5/5(日)9:40〜16:40
 我が国の入学者選抜制度の現状と課題を、歴史的経緯をふまえつつ理解・整理するとともに、高等教育ユニバーサル化とともにクローズアップされてきた高大接続の課題について、国際的な動向も視野に入れて検討する。
(1) 制度と法令 − 学校教育法、大学入学者選抜実施要項、諸外国の高大接続
(2) 様々な選抜制度(一般選抜、学校推薦型、総合型、帰国生・留学生・社会人・etc)
(3) 入学者選抜のインフラ − 大学入学共通テスト、国際バカロレア、各種の外部検定試験
(4) 高大接続に関わる新たな課題と改革動向
★初回の授業には、各自の自己紹介プレゼンテーションやリーディング課題(詳細下記)があります。

第2回 入学者選抜制度運用の実際 6/2(日)9:40〜16:40
 課題1として、各受講者において具体的な入学者選抜制度を取り上げて報告を行なってもらい、入試制度運用に関わる実務上の課題について以下のポイントを交えながら検討を行う。
(1) アドミッションポリシーや制度上の位置づけ
(2) 当該大学のミッションやカリキュラムとの適合性
(3) 実施上の環境とリソース

第3回 入試広報活動の実践と課題 6/30(日)9:40〜16:40
 課題2として、関係者へのインタビューを含めた入試広報活動の実例について報告を行ってもらい、入試広報活動の課題について以下のポイントを交えながら検討を行う。
(1) 入試広報制作物の機能と位置づけ
(2) 進学相談会やオープンキャンパスの役割
(3) 入試広報施策のマネジメントとSD

第4回 学生の目から見る入試広報と大学選び 7/21(日)9:40〜16:40
 課題3として、学生に対してインタビュー調査を行い、入学前の大学選びに関する意識や行動、受験のプロセス、大学入学後の適応について報告を行ってもらい、高大接続の課題について以下のポイントを交えながら検討を行う。
(1) 大学進学をめぐる学生の成長と課題
(2) 各大学のポジショニング
(3) 担当職員の教育的役割

【授業時間外学習】
 第1回目の授業では、各自の自己紹介プレゼンテーション(略歴・職務内容・大学院での研究課題・本科目での問題関心等:5分程度で)を行ってください。予め1〜3枚程度のスライドを準備しておいてください。

また、資料を通読しておいてください。

文部科学省高等教育局 「令和6年度大学入学者選抜実施要項」

出光 直樹 「オピニオン アメリカの入学者選抜の本質は専門職の合議による多面的視点」 『Between』2015.6・7

上田 千尋 「決定権がスタッフの意欲を支えるアメリカのアドミッションズ・オフィス」『Between』2002.7・8

 第2回目の授業では、各受講者が関係する大学やその他の大学における具体的な入学者選抜制度を取り上げてまとめ、各15分〜20分程度の報告を行ないます。

 第3回目の授業では、各受講者が関係する大学やその他の大学における具体的な広報活動や制作物について取り上げ、関係者に対するインタビューを含めてまとめ、各15分〜20分程度の報告を行ないます。

 第4回目の授業では、3名以上の学生に対してインタビュー調査を行い、入学前の大学選びに関する意識や行動、受験のプロセス、大学入学後の適応などについてまとめ、各15分〜20分程度の報告を行ないます。

 全ての授業終了後、科目全体の学習内容や気づきを、総括レポートにまとめて提出します。

【テキスト】
(1) 大阪大学 高等教育・入試研究開発センター 編(2022) 『未来志向の大学入試デザイン論』 大阪大学出版会 ISBN: 978-4-87259-750-9

(2) 高妻 紳二郎 編(2022)『新・教育制度論』 ミネルヴァ書房 ISBN: 978-4-623-09541-4
 {特に第2章「学校の制度」、第15章「入試制度」}

【参考書】
(3) 『Between』2023年3月号 特集:これからの高大接続―合言葉は「学生の成長」

(4) 『カレッジマネジメント』Vol.219 Nov.-Dec. 2019 特集:進路の意思決定を科学する ―高校生は何を見て、どう行動しているのか―

(5) 後藤健夫 (2016) 「インターナショナル・バカロレア(I B)、日本での現状を探る」 『カレッジマネジメント』Vol.202 Jan.-Feb.2017

(6) 『Between』2016年6-7月号 特集:今の入試方式は最適解か?

(7) 『Between』2015年6-7月号 特集:動き出す入試改革〜"多面的評価"の第一歩"

(8) 佐々木 隆生(2012) 『大学入試の終焉: 高大接続テストによる再生』 北海道大学出版会 ISBN-13: 978-4832933798

(9) 倉部 史記(2011) 『文学部がなくなる日』 主婦の友新書 ISBN-13: 978-4072758953

(10) 渡邊一雄 編(2010) 『大学の制度と機能』 玉川大学出版部 ISBN-13: 978-4472404047
 {特に第4章「高等学校と大学の接続」}

※書籍類ではないが、Youtube チャンネルの「山内太地の大学イノベーション研究所」 

【評価基準】
 講義参加と討議、課題報告そして総括レポートの内容により、以下の基準で評価する。

A 特に優秀
●課題を通じて、様々な入試制度や広報活動および学生意識についての深い洞察と気づきを得るとともに、他大学の事例もふまえたより普遍的な課題の把握がなされている。
●科目の学習内容について、参考文献の知見もふまえて整理・展開されているとともに、受講者自身の文脈、および我が国における入学者選抜と高大接続の課題への深い洞察が得られている。

B 優秀
●課題を通じて取り上げた事例と他大学の事例の双方から、洞察と気づきを得ている。
●科目の学習内容について、良く整理されているとともに、受講者自身の文脈における入学者選抜と高大接続の課題への洞察が得られている。

C 良好
●課題で取り上げた事例について、具体的な洞察と気づきを得ている。
科目の学習内容について、良く整理されている。

D 最低ライン
●3つの課題は、一通り行っている。
●科目の学習内容について、概ね整理されている。 

【教員との連絡方法】
電子メール naoki(アット)idemitsu.info
日中の電話 045-787-2055 (横浜市立大学 アドミッションズセンター)
携帯電話 (授業の際にお知らせします)

★OBIRIN e-Campus を補完するために、Facebook内のグループページ・2024年度大学アドミッション論(当初は公開 → 4月中頃より非公開)も、授業全体の連絡手段として用いますので、履修される方は速やかに参加をお願いします。 

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posted by N.IDEMITSU at 09:40 | TrackBack(0) | 大学院 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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